開発が止まってしまっているPd-extendedからPureData vanillaへ移行する為に「deken」を使ったセットアップ

投稿日:2016-12-26



おはようございます^ – ^

ナカジ(@cp_nakajun)です。

Puredataでジェネレーティブミュージック(生成系音楽)をやってます。

僕はこれまではPd-extended(Puredata extended)という環境を使ってpatchを組んでいたのですが
残念ながら2014年以降アップデートが止まってしまっているようで

Pure Data Japanの勉強会でも
「PureData vanilla」の最新版を推奨しています。

あらかじめPureDataの最新版をインストールしておいてください。
Pd-extendedは2014年以来開発が止まり、out of dateになっております。
Pure Data Vanilla最新版のインストールをオススメします。

そこで僕もpatch制作が一区切りしたタイミングだったので
重い腰をあげてPureData vanillaへの移行をすることにしました。

あっ、Pd-extendedとPureData vanillaの違いを参照しておきますね。

  • Pure Data vanilla:ミラー・パケット氏が開発を続けているオリジナルバージョン。MIDIコントロールやDSP(デジタルシグナルプロセッシング)のための開発環境。インターフェイスは太めの線やフォントで描かれており、昔風です。音の処理をするための基本的なオブジェクトが揃っています。
  • Pd-extended:Pure Data Vanillaを土台にして、世界中の有志達によって開発された様々なオブジェクトやライブラリ(エキスターナル)が加えられた拡張バージョン。映像や画像情報を扱うGEMなどはこちらのバージョンに含まれています。

そうです。

上記にあるようにPureData vanillaは基本的なオブジェクトしか持っていないので
Pd-extendedで利用していた「拡張」オブジェクトやライブラリを自分で追加する必要があります。

最新版のPureData vanillaには「deken」という便利なプログラムが標準で組み込まれましたのでコレを使います。

ただ、簡単にとは言え
僕はちょっと引っかかった部分があるので参考サイトと共にやり方を残しておきます。

PureData vanillaにdekenでライブラリを追加

基本的には以下の2つのサイトを参照すればdekenでライブラリを追加できると思います。

PureData vanillaでdekenを使ってGemを導入する
PureData vanillaにプラグインを入れて拡張してみる

ステップ1



PureData vanillaを起動
HELPメニューの「Find externals」をクリック

ステップ2



追加する「external」を検索する
OSがMacOSなら名前に「Darwin-i386〜」ついている圧縮ファイル(tar.gz)を選択しクリック
そうするとインストールする場所を選びます。

この時にポイントが
僕の環境だとデフォルトがPureData vanillaのアプリパッケージ内だったのですが
GEM関連以外のexternalsは

ハードディスクの任意の場所にすることをオススメします。
理由は後ほど…



「Successfully〜」と出ればOKです。

ステップ3

「PD」→「Preferences」→「Path…」と進んでください。

ここで追加したexternalsを1つ1つ指定して行きます。


僕の場合これをしないとオブジェクトを読むことができず点線表示になってしまっていました。

この為にインストールする先を「任意の場所」にしました(アプリパッケージ内は指定できない)

これで終わりです。
GEMもちゃんとロードできてます。

VanillaとExtendedの違い

とりあえずひと区切りした状態の僕のpatchを晒します。

これがextended



これがVanilla


あんまり差がないように思われますが….

たとえ少しの違いでも、見た目はextendedの方がいいなぁ

あと、vanillaはウインドウを小さくするとスクロールバーが出るのが早いのが少し気に入らない

でも、時代の流れだから仕方がないか…

こうなってくるとよりミラー・パケットには長生きしてもらいたいものです。

puredataに興味を持った方へオススメ書籍

美山千香士さんの書かれた
Pure Data -チュートリアル&リファレンス-
がオススメです。

ビギナーの方にも優しい丁寧な解説もありますし
巻末にオブジェクトリファレンスがついてるので

中級者程度に組めるようになってからでも使えます!

もっと優しく入りたい方はこちらもオススメです。
「レシピブック」なので初心者の方は実際に動作させながら覚えていけると思います。

PureDataの貴重な書籍



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ウェブツール

機能はシンプルなものですが、p5.jsやTone.jsで描画したり音が出たりするので遊んでみてください。
・【Midi Number Tools】:MIDIナンバーから音名と周波数を判定します
・【Delay Time Calculator】:テンポに応じた音符の長さを判定します