Pure Data で初めてのビジュアル音響プログラミング挑戦にしようとしているあなたに「Purr Data」がオススメです。

投稿日:2020-04-05



ナカジ(@cp_nakajun)です。

ノードベースのビジュアル音響プログラミングと言えばもはや「Max 8」一択な感じもあります。

日本国内のユーザーも多く、コミュニティーやWEBには情報も多く存在しています。

ですが…

1ヵ月のトライアル期間がある、開発元のcycling74の英語版なら月額のサブスクもあるとは言え

有料のソフトウェアです。

当然、Max 8 は有料の価値があるのですが、「初めて」挑戦という人にはちょっと勢いが必要なところはありますね。

発展性とか将来性を考えると最初からMaxでもいいと思います。

このあたりはそれぞれの判断に結局はなってしまうので、最初に Pure Data を勧める理由には難しいのですが

この記事を書こうと思ったきっかけになった@via_is_aさんの凄いパッチ見てたらテンション上がって

MaxだろうがPureDataだろうが
結局はスキルや習熟度、制作者の技量になるのでPureDataだって「あり」だという結論になりました。

さて、前置きが長くなりましたが

今日、この記事で「Pure Data」に興味がある人に紹介したいのは「Purr Data」という環境です。

Purr Data ってなに??

結論から…「Purr Data」は「Pure Data」です。

凄く雑に言うとPure Dataの派生版パッケージです。

僕の薄く浅い知識でイメージすると、Linuxのフレーバーみたいな感じかと…

Purr Data のGitHubから参照すると

purr-data(GitHub)

Pd (Pure Data) is a graphical data-flow programming environment which is geared towards real-time interactive computer music and multimedia applications. It is a full-featured open-source alternative to its commercial sibling, Cycling74’s Max.

Purr Data serves the same purpose, but offers a new and much improved graphical user interface and includes many 3rd party plug-ins. Like Pd, it runs on Linux, macOS and Windows, and is open-source throughout.

Pd(Pure Data)は、リアルタイムのインタラクティブなコンピュータミュージックおよびマルチメディアアプリケーション向けのグラフィカルなデータフロープログラミング環境です。 これは、商用兄弟であるCycling74’s Maxのフル機能を備えたオープンソースの代替品です。

Purr Dataも同じ目的を果たしますが、新しく大幅に改善されたグラフィカルユーザーインターフェイスを提供し、多くのサードパーティプラグインが含まれています。 Pdと同様に、Linux、macOS、Windowsで動作し、オープンソースです。

PureDataの魅力については以前書いたものがあるので良かったら読んでみてください。

で、PureDataには以前は「Pd-extended(Puredata extended)」という拡張バージョンがあったのですが2014年を最後にアップデートが止まってしまってました。

  • Pure Data vanilla:ミラー・パケット氏が開発を続けているオリジナルバージョン。MIDIコントロールやDSP(デジタルシグナルプロセッシング)のための開発環境。インターフェイスは太めの線やフォントで描かれており、昔風です。音の処理をするための基本的なオブジェクトが揃っています。
  • Pd-extended:Pure Data Vanillaを土台にして、世界中の有志達によって開発された様々なオブジェクトやライブラリ(エキスターナル)が加えられた拡張バージョン。映像や画像情報を扱うGEMなどはこちらのバージョンに含まれています。

なので最近はPure Data vanillaに自分で拡張機能をインストールする必要がありました。

そして、ここで改めて上記のPurr Dataについての文を見ると

Purr Dataは機能が改善されたPd-extendedのような派生版」ということになります。

Purr Dataのメリット

そもそものPure Data vanillaと同じ「オープンソース」「マルチプラットフォーム」以外の部分でPurr Dataのメリット、特徴としては

  • JavaScriptで記述された最新のGUI(nw.jsを使用)
  • 多くのサードパーティプラグインが含まれている

という上記の2点です。

1つめのGUIについてはもともとPdはGUIの描画にTcl/tkを利用しています。
このTcl/tkですがもともと評判が非常に悪く

以前どこかの記事で
開発者のMiller Puckette自身も「GUIにTcl/tkを採用したのは失敗だった」と言っていたインタビューを読んだ記憶があります。
(リードソースの記事を探したのですが見つけることが出来なかったのであくまでも記憶としてになります)

Pure Data Japanのこの記事「GUIプラグイン」によるとPureData 0.43から内部的にはかなり改善されているようです。が

ここがJSになっているのが1つめのポイントです。

余談ですがPurrDataは設定メニューでGUIのテーマを選択できます。







2つめは先述のPd-extendedのようにすでに様々な拡張用のライブラリーやオブジェクトが設定済みの状態でインストールされます。

dekenを使ったセットアップの必要なく、とりあえずよく使うものはそろってるので「初めてのPure Data」だけでなくよほど特殊な用途でない限りしばらくそのまま使い続けられます。

PurrData Github&Download

今回の記事の最後にPurrDataのリンクを再度掲載しておきます。

今回はこのPurrDataの成り立ちなどは割愛して、まずはご紹介というかたちにしました。



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機能はシンプルなものですが、p5.jsやTone.jsで描画したり音が出たりするので遊んでみてください。
・【Midi Number Tools】:MIDIナンバーから音名と周波数を判定します
・【Delay Time Calculator】:テンポに応じた音符の長さを判定します